Posted by SainSmart on

ホビー向けレーザー彫刻機の市場は今、非常に混雑しています。多くの場合、「コンパクト」や「軽量」という言葉は、パワーや性能を犠牲にしていることを意味します。私がこの Kortek 5W レーザー彫刻機を手にした時も、正直なところ「軽作業用の便利なツール」程度の期待しかしていませんでした。

しかし、実際にショップでプロジェクトに使用してみた結果、その予想は良い意味で裏切られました。セットアップ、ソフトウェア、性能、そしてこのマシンが「本当に向いている人」について、本音でレビューします。

開封と第一印象

Kortek レーザーを手に取って最初に驚くのは、そのフットプリント(設置面積)です。驚くほどコンパクトで非常に軽量です。これは、限られたスペースの工房やガレージ、あるいは共有のクラフトルームで作業する人にとって大きな利点です。据え置きの巨大な設備ではなく、必要な時に取り出し、終わったら収納できる道具です。

ビルドクオリティはサイズに対して非常にしっかりしています。フレームは剛性が高く、梱包も丁寧でした。しかし、最も印象的だったのはセットアップの速さです。

ワークベンチに置かれたKortek 5WレーザーとLightBurnを実行中のノートPC。

ソフトウェア設定:LightBurnとモバイルアプリ

新しい道具においてセットアップの容易さは不可欠です。Kortekはこの点で非常に優れています。

LightBurnへの接続(プロ・中級者向け)

多くの真剣なホビーユーザーと同様に、私も LightBurn を使用しています。Kortekはすぐに認識されました。標準の GRBL設定 を使用し、数分で完璧に動作しました。プロ仕様のソフトウェアとのプラグアンドプレイ互換性は大きな強みです。

モバイルアプリとWiFi(初心者・クイックスタート向け)

コンピューターを使わずに、モバイルアプリでテストも行いました。レーザー自体のホットスポットに直接接続できるため、スマホ一台ですぐに作業を開始できます。また、自宅のWiFiに接続すれば、別の部屋にあるPCから無線でデータを送ることも可能です。

性能テスト:5Wレーザーで「無垢材」は切断できるか?

このユニットは5Wのレーザーヘッドを搭載しています。一般的に5Wレーザーは「彫刻用」とされ、切断は薄いクラフト合板に限られることが多いですが、あえて 5.5mmのチェリー無垢材 でテストしました。

結果は驚くべきものでした。エアーポンプ(エアーアシスト)を併用することで、Kortek 5Wレーザーは5.5mmのチェリー材をわずか2パス(300 mm/min)でクリーンに切断しました。これは、ダイオードの品質とビームの焦点が非常に優れている証拠です。

信頼性の検証:100個のキーホルダー・プロジェクト

単発のテストカットだけでなく、100個の木製キーホルダーを制作する連続作業を行いました。ロゴの彫刻と外形のカットを繰り返しましたが、精度が落ちることもなく、100個目も1個目と同様に正確に仕上げることができました。小規模なビジネスや販売用ストックの制作にも十分応えてくれる信頼性です。

微調整と結論

一点だけ、最初にガントリーローラーの偏心ナットをわずかに調整して「遊び」をなくしました。これにより、より完璧な精度を実現できました。これは木工家としてのこだわりですが、調整自体は2分で終わる簡単なものです。

結論として、Kortek 5W レーザー は私の期待を大きく上回りました。単なる「軽量な彫刻機」ではなく、無垢材を扱える「本物の道具」です。

 
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